支援制度

【メンター紹介】メンターに質問してみました!(One Health メンター制度)

2022年11月18日

 

    • 本事業の支援の一つにメンター制度があります。
    • メンター担当の先生方は、研究者のしあわせなキャリアを応援する『しあキャリ応援隊』です。
    • 研究者の皆さんにこの制度を身近に感じ、気軽に利用していただくため、『しあキャリ応援隊』の先生方に質問をしてみました。
    •  
    • バックナンバーはこちら
    •  

  • 【メンター紹介 Vol.7】
  •  
  •  
  •  
  •  
  • 田嶋 華子先生
    日本医科大学 武蔵小杉病院
  • 小児科 講師
  •  
  •  
  •  
  • プロフィール
  • 日本医科大学卒業、日本医科大学付属病院小児科に入局。
    小児科専門医取得後、大学院に入学し、生化学・分子生物学(分子遺伝学)教室で先天代謝異常症(異染性白質ジストロフィー、低ホスファターゼ症)の遺伝子治療研究、学位(医学博士)を取得。国内留学は千葉県こども病院代謝科。
    2012年~日本医科大学付属病院小児科、2018年~武蔵小杉病院小児科で小児内分泌・代謝性疾患、遺伝性疾患の診療をおこなっている。
    学外活動:つぼみの会(小児糖尿病の患者会)顧問医、小児糖尿病サマーキャンプのキャンプ長。
  • Research map:https://researchmap.jp/tajimahanako
  •  
  • 私の研究テーマ
  • ①新生児〜幼児期の腸内細菌叢とその後の生活習慣病発症に関する研究
    ヒトの腸管には約1000種類、100兆個以上の腸内細菌が生息しています。一方、胎児の腸管はほぼ無菌と言われており、生直後にさまざまな接触を通じて腸内細菌叢は急速に増加し、3歳ころにはその人の「腸内細菌叢パターン」が出来上がるといわれています。近年、肥満やアレルギー性疾患をはじめとした生活習慣病と腸内細菌叢の関連が示唆されていますが、特に「腸内細菌叢パターン」が決まる新生児~幼児期が重要なのではないかと考えています。腸内細菌叢に影響を与える因子に関して検討し、小児のうちに対応することで将来的な生活習慣病の発症予防につなげられたらと思い、研究を行っています。
  • ②こどもの痛みの表出が養育者に与える影響の検討
    日本獣医生命科学大学比較発達心理学研究室との共同研究です。しあわせキャリア支援センターを通じて柿沼美紀先生からお声がけをいただき、2019年からこの研究が始まりました。疾患や発達に特性を持つ子どもの受診行動に関連することがらを、子ども自身、養育者、医療者、交通手段などさまざまな側面から検討し、より適切な時期に受診できるよう、ペアレンタルトレーニングや対応方法に関する研究をしています。特に児の「痛み」の感覚やその表出方法に着目し、比較心理学の視点から、獣医学(イヌ)と小児科(子ども)という本法人ならではの共同研究を行い、理解を深めています。
    コロナ禍ではありますが、複数の海外の学会や論文発表をすることができました。柿沼先生をはじめ、この研究に関わってくださった心理士・獣医師・医師の先生がたとの出会いに感謝しております。
  •  

患者様との出会い

大学5年の時に初めて、小児糖尿病サマーキャンプに参加しました。小児科の内分泌・代謝学の講義で、大木由加志先生(元・小児科教授)が「学生ボランティアを募集」をし、それに参加したことがきっかけです。小児科医になってからもたびたび参加し、2010年からはキャンプ長を務めさせていただいています。小児糖尿病サマーキャンプは、インスリン注射を必要とする糖尿病の子たちへの教育・療養・交流などを目的として、近年は日本各地で行われています。日本初の小児糖尿病サマーキャンプは1963年に丸山博先生らにより行われ、のちにつぼみの会という患者会が設立されました。福島県伊達市の霊山トレーニングセンター診療所(丸山先生が私財で建設。図1)をホームとし、日本唯一の有床診療所でのサマーキャンプを行ってきました。キャンプのメンバーは、キャンパー(子どもたち)、生活スタッフ(1型糖尿病をもつOBOGなど)、看護スタッフ(看護師、看護学生)、栄養スタッフ(管理栄養士、栄養学生)、企業スタッフ(インスリンやデバイス関連の企業社員)、医療スタッフ(小児科医・内科医、医学生)などにより構成され、大人は皆ボランティアで参加しています。キャンプの場では医療者―患者の関係というよりも、「子どもたち―彼らを支援する仲間」というような存在で、職業分け隔てなく和気あいあいと、同じ目的をもって過ごしています。それまで自己注射できなかった子ができるようになったり、低血糖が心配であまり運動をしたがらなかった子が運動会で一日中体を動かせたり、自分と同じようにインスリン注射をする友人ができるなど、子どもたちは数日間で様々な宝物を得て帰宅します。東日本大震災後の福島第一原発放射能漏出やCOVID-19などさまざまなアクシデントがありましたが、それらを乗り越えて2020年以降はオンラインキャンプ、2023年には新しい場所で対面キャンプを計画中です。ボランティアに興味があるかたがいらっしゃいましたら、ぜひ私までご連絡ください。

 

図1.霊山トレーニングセンター

A宿舎 Bグラウンド C厨房 D診療棟の受付 E歩くたびに揺れる吊り橋

 

ライフイベントを通して

私は生まれも育ちも神奈川県逗子市で、海岸まで徒歩1分以内のところに住んでいました。春は桜貝やワカメを拾い、夏は毎日のように海水浴をし、秋・冬は観光客が少なく静かになった海岸をのんびり散歩して過ごしていました(図2)。私の母は主婦で、「いつも家に帰ればお母さんがいる」環境で育ちました。私が子どもの頃思い描いていた、私にとっての理想の母親像とは、「自分のお母さん」でした。私はその後、医師になり、母親になり、息子が生後2か月になったときから徐々に仕事に復帰しました。復帰当初は理想の母親像と現実の相違にギャップを感じることもありましたが、家では息子から必要とされる一方で、医局の先生がたや患者さんたちにも「待ってましたよ」と迎えてもらい、実母も仕事の継続を応援してくれたことで、私の居場所は家と病院の両方なんだと、自分の選択に自信を持つことができました。息子は現在小学3年生になりました。まだまだ私にとってはかわいい子ですが、だんだんと親の手を離れていくというのはこういうことなのかと、成長の喜びと、一人行動が増えることに対する少々の不安が入り混じった日々を過ごしています。

図2. 逗子海岸 今でも年に数回は家族で行きます。

日本の統計「共働き等世帯数の推移」によると、1980年前後は共働き世帯は圧倒的に少数でしたが、1990年代には共働き世帯と片働き世帯が同じくらい、2000年以降は共働き世帯の割合が多くなり、その後も増加を続けています(図3)。その背景には、働く女性を支援する制度の充実が挙げられると思います。日本医科大学でも、女性医師・研究者の皆さまのより多様な働き方に対応できるよう、支援策が年々増えています。ひとことで「働く女性」と言っても、環境や理想とする働き方は個人個人で異なり、いろいろなケースに柔軟に対応していけたらと思っています。そして、ハード面(制度)がある程度できてきたら、つぎはソフト面(職場の受け入れ、支援を受ける職員への周知など)の充実が望まれます。職場(の雰囲気)により制度が思うように利用できないということのないよう、メンター制度やイクボスワークショップなどを通して関わらせていただいています。気になることやわからないことがありましたら、ぜひご相談をおまちしております!

図3.共働き等世帯数の年次推移(令和3年度 厚生労働白書より引用)

 

更新日:2022年11月18日


メンター制度の利用者の声

  • 「教授の先生との相談で敷居が高く感じたが、研究の話など雑談をしてくださり、リラックスすることができた。」
  • 「一期一会の出会いの楽しさも醍醐味ではないか。」
  • 「身近にダイバーシティ事業やしあわせキャリア支援センターを頼りにできることを感じた。」

こちらをご覧の皆様も是非お気軽にメンター制度をご利用ください。

 

【メンター紹介 バックナンバー】

 Vol.1 柿沼 美紀先生 (日獣大 比較発達心理学)

 Vol.2 関口 敦子先生 (日医大 多摩永山病院 女性診療科・産科)

   Vol.3 波間 隆則氏(アンファー株式会社 研究開発本部)

 Vol.4 大橋 隆治先生(日医大 基礎医学 病理学(統御機構・腫瘍学))

   Vol.5 植木 美希先生(日獣大 食料自然共生経済学教室)

   Vol.6  高橋 恭子先生(日医大 基礎科学 化学教室)

  •  

ページトップへ戻る